野澤千恵さんの老いた家衰えぬ街によると名古屋市中村区、千種区、南区、北区、西区、名東区などは65歳以上のみの家族が住まう家の戸建ての割合が非常に高いと示されています。
これより考えられるのは、
- 都心に比較的近く、かつ、古くから市街地が形成されたエリアに空き家予備軍は多い。
- 相続の発生を機に住まいの終活を適切に進め、新たな住民が流入できる「素地」をつくることにより市街地の更新を図っていくことが地域として必須。
「住まいの終活」とは「相続が発生する前から、所有者やその相続予定者が、住まいに関わる様々な情報を整理・共有し、相続発生後の選択肢を考え、そのために安心して相談できる人的なつながりを作っておくなど、住まいを円滑に「責任ある所有者・利用者」へ引き継ぐための一連の活動」のことを言います
野澤千恵著「老いた家衰えぬ街」から抜粋
Table of Contents
それを受けて当会ではここの承継だけではなく地域の活性化を諮る(はかる)活動を開始!
- 空き家予備軍が相続を開始すると空き地空き家が生まれるが、空き地空き家の承継を成功させ、地域への新たな住民の流入、市街地の更新に寄与し、地域を活性化させること
- 相続開始前に不動産の承継について対策に寄与し、相続を問題なく成功させ、地域の活性化させること
ここで当NPO法人の概要を説明します
名称 | 特定非営利活動法人不動産の承継を成功させる会 |
主たる事務所 | 名古屋市千種区末守通五丁目13番地 大雄ビル4F |
法人設立の年月日 | 令和2年1月14日 |
定款に記載された目的 | この法人は、名古屋市並びに名古屋市周辺地域に土地及び建物を所有しまたは所有しようとするものに対して、すでに開始している未解決の相続などの解決、及び今後発生する様々な不動産の承継を円滑にすすめるための事業を行い、良好で快適な住環境整備に寄与することを目的とする。 |
活動の種類(定款第4条より)
- この法人はその目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 地域安全活動
- 経済活動の活性化を図る活動
当法人が行う事業(定款第5条より)
- 相続手続き支援事業
- 未利用地所有者に対し利活用を促進する事業
- 長期相続等未了土地とされた土地及び所有者不明土地に対する調査などによりその解消を図り、積極的な利活用を提案する事業
- 空き家、空き地の情報収集と提供を行う空き家バンク事業
- 空き家の管理事業
- 空き家の改修、用途転換、利活用の提案及び実践の空き家コンバージョン事業
- 地域のおひとり様おふたり様に対し、年金、保険、資産活用から住宅、介護、葬儀の悩みの面で支援するおひとり様、おふたり様応援事業
- 上記事業に関するWEB、紙面等を用いた情報提供事業
- 地域の土地の歴史や地名の由来歴史的建造物の研究を行い地域への愛着を高める事業
当NPO法人の設立の趣旨(設立趣旨書より)
超高齢化が進むことによって、次世代の家庭と同居しない65歳以上のみの家庭が増えてきてました。また、子供の出生率が2を割ってしばらく経ちますが、人口減少時代に入ってくると、使われない不動産が増えてくることで、管理が行き届かない不動産が増えてきました。そういったことを原因にしてお金にしやすい不動産はともかくすぐお金にしにくい不動産に関しては相続人が相続登記をしないことも出てきて、また固定資産税がかからないほど評価額が低い土地を相続登記せずに相続するとその次の世代に土地を承継することが忘れ去られ所有者不明土地問題が起こってきます。
また不動産の周りで仕事をする我々の現場でも不動産の承継に関する数多くの問題が発生しております。
それを解決する方法の一つには、相続が発生する前から事前対策をすることが有効かと思われます。ただ、土地に関しては様々な専門家がおり、一つの専門家だけでは解決しないことも多いです。
そこで、専門家同士が連携し協力して、こういった問題を考えていくことは有効な解決策であると考えました。案件ごとに力を合わせるため協力し合うのではなく恒常的に連携を定着し、継続していくことにより案件による活動ではなく、地域に所有者不明問題などが発生することにより地域が空洞化、スラム化することを防ぐ活動として地域と不動産の承継に関しての専門家集団が連携した活動を行うことは意義があることだと思いました。
こういった地域と連携した専門家集団は、営利活動とは少し違った活動となるため、非営利活動法人とすることで活動しやすくなると思いこの度非営利活動法人不動産の承継を成功させる会を発足させました。
地域に根づいた活動をするため積極的に地域とコミュニケーションをとり地域に貢献したいと思っており、地域に対して興味を喚起することも本法人の重要な活動の一つとしております。
国もこれらの問題に取り組んでおり、以下のような法改正等により、解決を図ろうとしています。これら法令についてもこの法人で法律を有効活用する手段などを研究していきたいと思います。
- 民法の見直し
- 新たな共有解消法
- 相隣関係の見直し
- 新たな財産管理制度
- 遺産管理と遺産分割の新ルール
- 所有権放棄
- 不動産登記法の見直し
- 相続の発生を登記に反映させる仕組み
- 相続登記の義務化
- 名義人表示変更などの義務付け
- かなり大幅な変更を伴う内容です。登記制度の根本にも影響があります。