コロナ禍ー脱ハンコ
新型コロナウィルス感染拡大を機に、政府は脱「対面・紙・ハンコ」を加速させる(日経新聞より)。 我々の業務に密接に関係する「ハンコ」について考え、脱ハンコは実現するかを検討したい。
「ハンコ」は、複製が難しいとして、長く本人の意思確認に用いられてきた。実際、区役所等で印鑑登録をした印鑑は「実印」として大事に扱われ、認印や三文判と区別され、むやみに押印するものでないとされている。
印鑑を作るときは、占い師に占ってもらったうえで作成する人も多い。
「ハンコ」は、長年、日本の社会に根付いている。
しかし、今回は日本の非効率性の象徴として、ハンコ文化の見直しが叫ばれている。
確かに、印鑑の精密な複製も可能になっているし、指紋や顔などの生体認証が導入されれば、本人の意思確認や文書の真正性の役割が減少する。
契約書にも電子署名があり、必ずしも「ハンコ」は必然とされていない。 だから「脱ハンコ」すぐにでもできるはずだ。
登記手続きにおいても、オンライン申請が推奨されており、確実に「脱ハンコ」に向かっている。
しかし、実際には、日本の慣習の壁が厚く、「脱ハンコ」はそれほど進んでいない。
コロナ禍を契機に、「脱ハンコ」は進むのか。
日本独自の発展を遂げた日本のハンコ文化が、どのように変わっていくかを見守りたい。
巷では、9月新学期の話も持ち上がっている。変更が良いのか悪いのかは別にして、今までの慣習を変更して新たなものにするには、「コロナ禍」のような一種のショック療法が必要なのかもしれない。
令和2年5月
司法書士法人 アスネット代表 特定社員寺町敏美
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