前回の事例1をもう少し詳しく
事例1: 共有不動産の売却を巡る争い
この事例では、兄弟間で共有している土地を売却することに対して、売却価格と土地の使用方法についての意見対立が発生しています。
事例の詳細:
- 土地の特徴: 200平方メートルの土地で、坪にすると60坪あり、静かな住宅地に位置しています。この土地は兄であるAが持分の半分を所有し、妹のBが残りの半分を所有しています。
- 背景: 兄妹間の仲が悪く、共有財産をめぐる争いが発生。亡くなった母親の相続により、土地を二分の一ずつ取得したが、兄が母親をほったらかしにしていたという不満があり、妹が土地を売ることに難色を示している。
- 争点1: 売却価格
- Aは土地を総和で買い取り、自身の土地と息子の土地の自宅用にしたいと主張。
- 妹Bは土地を売りたくないが、価格についての条件交渉には応じる意向。
- 争点2: 土地の使用方法
- Aは住宅用地として利用し、新しい家を建てたい。
- 妹Bはその提案に反対し、土地を維持することを望んでいる。
解決方法:
- 兄妹はまず、土地の評価と市場価値を検討し、坪単価を計算する。これにより、土地の正確な価値を明らかにする。
- 現物分割のリスクを示す。土地を二分の一ずつ所有すると、間口が5メートルと狭く、住宅を建てるのが難しいことを説明する。
- 坪単価に基づいて、兄妹は公平な価格で土地を売却する合意に達する。妹Bが納得し、土地を売却することで争いが解消される。
この事例では、土地の評価と価格交渉によって問題が解決し、共有者間の合意が得られました。また、現物分割のリスクを説明することが、合意に向けた重要な要素でした。