第22回 不動産承継セミナー 犬飼 知己先生「34年ぶりの転換点=物価上昇時代の生き残り」

2026年2月14日にNPO法人不動産の承継を成功させる会の不動産承継セミナーが行われました。

今回は宅建士の犬飼知克先生に、これからの財産の扱い方について語っていただきました。

会員の方はビデオを見られますので良ければビデオでお楽しみください。

以下エッセンスのみですがそうぞしてお楽しみください。

Table of Contents

概要

本講演では、ファイナンシャルプランナーであり不動産業を営む犬飼友勝氏が、最近の物価上昇と金融市場の動向を整理・解説した。日本の株価が34年ぶりに最高値を更新した背景、米国との経済指標の比較、金やビットコインなどの代替資産、さらに名古屋市内の土地・マンション価格の推移を具体的なデータとともに紹介。これらを踏まえ、インフレ時代を生き抜くための資産形成の考え方(インフレに強い資産と弱い資産)と、今後の資産運用で注目すべき数値について説明した。

知識ポイント

1. 株価・経済指標の動向

  • 日本の株価の歴史的転換
    • 日本株は1989年のバブル期に約3万9000円の史上最高値を記録後、長期低迷期に入った。
    • 2008年には約7100円まで下落した局面もあった。
    • 2024年2月、34年ぶりに史上最高値を更新し水準を回復。その後も上昇が続き、直近2年間で約2万円弱上昇した。
  • 米国株の推移
    • ナスダック、S&P 500、ダウ平均は過去10年で右肩上がり。
    • 長期的に横ばいだった日本株と対照的。
  • 世界のインフレ率比較(G7)
    • 1987年(約35年前)を100とした消費者物価指数で、他のG7は約2.5倍に対し日本は約1.2倍。
    • 海外目線では日本の物価が非常に安い状況。
  • 日米の株価比較(TOPIX vs S&P 500)
    • 過去30年でTOPIXはほぼ横ばい。
    • S&P 500は右肩上がりで、両国市場の成長差は大きい。

2. 各種資産の価格推移

  • 金の価格推移
    • 1978年(48年前)から現在までの国内小売価格は長期的に大幅上昇。
    • 48年前に1グラム千数百円が、2025年1月には2万9千円を突破。
    • 採掘量が限定されるため、価格は安定的に上昇しやすい。
  • ビットコインの価格推移
    • 2015年頃に本格流通した比較的新しい仮想通貨。
    • 約5年前(2019年頃)に1BTC約20万円が、現在では約1400万円に達するなど急騰。流通量が決まっていることが特徴。
  • 名古屋市内の土地価格の推移(2005年~2025年)
    • 国際センタービル(商業地): 路線価が約3.16倍に上昇(115万円/㎡ → 364万円/㎡)。2015~2020年に70%上昇。
    • 日生名古屋駅西ビル(商業地): 路線価が約5.09倍に上昇(125万円/㎡ → 636万円/㎡)。リニア開発の影響で2015~2020年に約200%(3倍)上昇という特異な動き。
    • 昭和区橋本町(住宅地): 路線価が約2.3倍に上昇(18.5万円/㎡ → 43万円/㎡)。商業地より変動は緩やか。
  • 名古屋市内のマンション価格の推移
    • 新築は土地価格・建築費の高騰で上昇。
    • 中古も連動して上昇傾向。
    • 名古屋市内の中古70㎡平均は、2005年の1700万円から現在約3000万円へ約1.76倍。

3. インフレ時代の資産運用

  • 世界の賃金比較と日本の現状
    • 米独仏英の最低賃金は時給約2000~2500円に対し、日本は約1121円(1ドル=150円換算)で約半分。
    • 日本の物価は今後上昇余地が大きい可能性。
  • 物価上昇による現金の価値減少
    • 物価が年3%上昇の場合、現金の購買力は低下。
    • 100万円は10年後約73万円、20年後には約半分の価値に。
  • インフレに備える資産と負ける資産
    • 備える資産(インフレに強い): 株式、投資信託、不動産、貴金属(金など)、仮想通貨。借入金も貨幣価値下落で実質負担が軽くなるため含まれる。
    • 負ける資産(インフレに弱い): 現金、預金。保険(積立型で戻り額固定など)や年金も物価スライドがあっても追いつかない可能性。
  • 資産運用で注目すべき数値
    • 日本の物価上昇率(目標3%): 現金価値の変動判断の基準。
    • 日本の長期金利(約2.2%): 長期低位から上昇傾向。
    • 米国の長期金利(約4.2%): 日本より高く、ドル建て金融商品の利回りに影響。
    • 日本株の配当利回り(4%台も): 配当重視投資の選択肢。
    • 不動産の利回り: 地価上昇に対し家賃上昇が追いつかず、利回り面で良物件は減少傾向の可能性。

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