第20回不動産承継セミナー 行政書士 古川元一先生 まとめ
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セミナー、一から学ぶ農地転用基本編で講演された内容をAIをつかいまとめました。

目次
1. 農地法の概要と目的
農地法は、農地を普通の不動産とは別扱いにして、厳しく利用を制限している特別な法律です。
農地法第1条の目的
- 農地は限られた資源である
- 効率的に利用する必要がある
- 耕作者の地位の安定を守る
- 国の食料生産を支える限られた資源
- 地域農業の基盤そのもの
現行の農地法に入る前に、大きい改正が2回行われています。
2. 農地の定義と転用の概念
農地とは
農地法第2条において「耕作の目的に供される土地」と定義されています(田んぼや畑)。
判断基準
- 登記簿上の地目(田・畑)
- 事実状態(現状どのような状態か)
注意点
- 登記地目が宅地でも、現状で農作物を育てている場合は農地とみなされる
- 宅地として一体利用されている家庭菜園は農地扱いではない
転用とは
「農地を農地以外のものにすること」
- 耕作の目的に供される土地を、耕作以外の目的に使うこと
- ショッピングモール、駐車場、お墓、公園、道の駅などへの変更
3. 都市計画法との関係
都市計画区域の構造
- 全国を都市計画区域と都市計画区域外に分類
- 都市計画区域内に線引き区域と非線引き区域が存在
- 線引き区域内に市街化区域と市街化調整区域がある
統計データ
- 都市計画区域:日本の国土の約4分の1
- 人口:約95%(1億1,000万人以上)が都市計画区域内に居住
青地と白地の区別
- 青地:農業振興地域内農用地区域
- 白地:青地から除外された土地
- 除外申請には6ヶ月から1年程度の期間が必要
4. 農地の種類と転用難易度
農地の分類(転用難易度順)
- 第3種農地:原則許可
- 第2種農地:代替性の検討等があれば許可
- 第1種農地:原則不許可
- 甲種農地:原則不許可
代替性の検討
事業者の事務所を基準に、複数の候補地を以下の4つの条件で比較検討:
- 面積
- 土地の形状
- 設造(※不明用語)
- 所在地
5. 届出と許可の違い
市街化区域(届出)
- 農業委員会が許可権者
- 必要書類:3つのみ
- 建物図面はイメージでも可
市街化区域以外(許可)
許可権者
- 基本的には県知事(愛知県の場合は大村知事)
- 指定市町村:一宮市、豊橋市、津島市、豊田市
- 委任:名古屋市長、岡崎市長
手続き
- 受付:月1回または一定期間
- 処理期間:6週間から8週間
- 必要書類:届出の数倍
- 許可証が交付される
6. 農地法第4条・第5条の解説
第4条(自己転用)
「農地を農地以外のものにするものは都道府県知事等の許可を受けなければならない」
- 自分の農地を自分で使う場合
- 所有者は変わらない
第5条(権利移転を伴う転用)
「農地を農地以外のものにするために権利を設定して移転する場合は、都道府県知事等の許可を受けなければならない」
- 権利の設定:賃借権など
- 移転:所有権の変更
- 持ち主が変わって転用目的も変わる場合
7. 転用許可の実例
第4条許可の実例:営農型太陽光発電施設
- 1,052本のパイプ(断面積0.00185平米×1,052本=約2平米)
- 一時転用:3年間
- 下部農地で榊を栽培
- 営農計画と収支計画が必要
第5条許可の実例:駐車場兼資材置き場
- 第3種農地
- 自治体独自の条例(まちづくり条例等)も必要
- 理由書:なぜ農地を使うのかの説明が必須
- 必要面積検討表:資材置き場の場合はほぼ100%必要
付随手続きの実例
大規模転用の場合:
- 住民説明会
- 関西電力への申請(高圧線)
- 法定外公共物(赤道)の占用許可
- 擁壁工事関連の各種申請
8. 非農地証明制度
概要
農地転用許可を受けることなく、長期間(10年または20年)宅地等として利用されてきた土地について、今後は農地として扱わない例外的措置。
証明方法
- 建物登記記録による建築年の確認
- 固定資産税評価証明書(課税地目の確認)
- 国土地理院の空中写真
制限
以下の場合は証明されない:
- 青地内の土地
- 違法建築(都市計画法違反など)
- 他法令に明確に違反している場合
9. 違反転用と罰則
罰則内容
- 個人:3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
- 法人:1億円以下の罰金
対処法
基本的に以下の二択:
- 現状復旧
- 事後許可(始末書の提出)
注意:青地での違反転用の場合、現状復旧一択となる。
10. 質疑応答
営農型太陽光発電について
- 農地性を失わないよう榊やミョウガを栽培
- 固定資産税は農地のまま(安い税率を維持)
- 一時転用期間:3年または10年(条件により異なる)
- 継続する場合は3年ごとの更新が必要
転用後の土地利用について
- 一度転用許可を受けて地目変更された土地は、次の利用者は農地法の制約を受けない
- ただし都市計画法の許可は必要
まとめ
農地転用成功のポイント
- 場所と目的がすべて:立地条件と転用目的が許可の可否を決定
- 事前確認の重要性:無断転用は厳しい罰則があるため必須
- 農業委員会と行政との連携:手続きの成功に不可欠
農地転用は複雑な手続きですが、適切な準備と専門家との連携により、成功の可能性を高めることができます。





